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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻11号

2004年11月発行

文献概要

調査報告

心理的評価からみた慢性腰痛に対する抗うつ薬の有効性と問題点

著者: 佐藤勝彦1 菊地臣一1 丹羽真一2 増子博文2

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科 2福島県立医科大学神経精神科

ページ範囲:P.1421 - P.1425

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 抄録:慢性腰痛(下肢痛を含む)を有する症例に対する抗うつ薬(トラゾドン)の有効性と投与上の問題点について心理的評価の面から検討した.対象は慢性腰痛を有する12例である.トラゾドン(25~50mg)服用前に,SDS(うつ病自己評価尺度)とBSPOP(整形外科患者に対する精神医学的問題評価のための簡易質問票)を用いて心理的評価を行い,投与後4週の時点で症状の変化と服用状況を調査した.その結果,投与前の評価で心理的影響が小さいと判定された症例では,トラゾドンは慢性腰痛を軽減させる効果を有していると判定できた.一方,投与前の評価で心理的影響が大きいと判定された症例では,トラゾドン投与による副作用が頻発した.心理的影響が大きい慢性腰痛患者は,抗うつ薬の副作用発現の可能性を説明することで,かえって軽微な体調の変化に敏感に反応してしまうと考えられる.抗うつ薬の処方時には,患者が安心して服用できる服薬指導が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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