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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻11号

2004年11月発行

文献概要

症例報告

四肢麻痺を呈した頚椎化膿性脊椎炎の1例

著者: 上野岳暁1 桝田義英1 島岡宏行1 三浦太士1 伊東勝也1 吉村和憲1 下林幹夫2

所属機関: 1町立大淀病院整形外科 2県立奈良病院整形外科

ページ範囲:P.1461 - P.1465

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 抄録:四肢麻痺を呈した頚椎化膿性脊椎炎の1例を経験した.症例は50歳の女性で,関節リウマチ(RA)の加療中であった.2001年6月に,特に誘因なく背部痛が出現,翌日当院を受診した.疼痛のため歩行困難であり,精査目的にて入院した.6月13日施行のMRIにて,C4/5からC7にかけて硬膜外に膿瘍を疑わせる病変が存在したため,頚椎硬膜外膿瘍と診断し,抗生剤の点滴を開始した.6月14日より意識レベルが低下,6月16日には四肢麻痺となったが,敗血症,膿胸を併発しており,手術的加療は全身状態の悪化を考慮して実施せず,保存的に加療した.発熱,炎症反応は次第に鎮静化し,四肢筋力は徐々に回復,一本杖歩行が可能となり退院した.RAなどの易感染性を有する患者に発生した急性の強い背部痛は,化膿性脊椎炎も念頭に置いた加療が必要であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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