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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻11号

2004年11月発行

文献概要

症例報告

上腕部引き抜き切断端をfree fillet flapで被覆した1例

著者: 岩田勝栄1 谷口泰徳1 大浦晴夫1 本田高幹1 石元優々1 吉田宗人1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1467 - P.1470

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 抄録:症例は58歳,男性.2003年3月中旬,掘削機に左上肢を巻き込まれ受傷した.左上肢は上腕骨骨幹部中央レベルで完全切断され,三角筋は残存していたが,皮膚は肩関節部から剝脱していた.切断された上肢側の前腕部では橈骨,尺骨の開放性骨折と手指の不全断裂を認めた.全身合併症のため再接着術は不可能と判断し,同日切断肢を利用したfree fillet flap移植を施行した.上腕動脈とその伴走静脈を端々吻合し,断端部を皮弁で被覆した.術後10カ月の肩関節可動域は屈曲80°,外転75°である.Free fillet flapを用いることにより肩関節機能を温存でき,術後追跡期間は短期ではあるが経過良好である.外傷性の切断肢で再接着術が不可能で,緊急に創の被覆が必要な場合,free fillet flapは安全かつ有用であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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