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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻12号

2004年12月発行

文献概要

臨床経験

腰仙部脊髄脂肪髄膜瘤に対する治療経験

著者: 後藤学1 松山幸弘1 吉原永武1 辻太一1 酒井義人1 中村博司1 石黒直樹1

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1551 - P.1555

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 抄録:腰仙部脊髄脂肪髄膜瘤は,癒合不全の椎弓を介して脂肪腫が硬膜欠損部から硬膜内に進展迷入し,脊髄の下端あるいは背側に癒合することにより脊髄係留を呈する疾患である.今回,腰仙部脊髄脂肪髄膜瘤6例(全例男性)に対する治療成績につき検討した.手術時平均年齢は17歳(1~49歳),術後平均経過観察期間は47カ月(4~102カ月)であった.主症状は,起立,歩行障害4例,足部変形5例,排尿障害3例であり,症状出現時期は5歳以下の幼少期4例,成人期2例であった.手術は,可及的脂肪腫切除による脊髄係留解除を行った.術後,起立歩行不能であった1例と,排尿障害を呈していた1例に改善をみたが,足部変形は5例とも残存した.腰仙部脊髄脂肪髄膜瘤の治療では幼少時の予防的手術を推奨する報告も多いが,Chapman分類におけるtransitional typeでは術式,治療時期,手術適応に関して十分な検討を要すものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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