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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻2号

2004年02月発行

文献概要

論述

Graf制動術の生体力学的研究―除圧モデルにおける制動効果

著者: 長谷川和宏1 高野光1 遠藤直人1 原利昭2

所属機関: 1新潟大学医歯学総合病院整形外科 2新潟大学工学部機械システム工学科

ページ範囲:P.133 - P.140

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 抄録:除圧術による不安定化モデルを作成し,除圧術後のGraf手術の制動効果について検討した.成豚より摘出した腰椎機能的脊柱単位(FSU)を計11個使用し,①intact(Int)群,②両側内側椎間関節切除術(MF)群,③左椎間関節全切除(TF)群,の3つの除圧段階に,それぞれ①インプラントなし,②Graf制動術(Graf),③pedicle screw固定術(PS)を連続的に行い,屈伸,側屈,回旋の6方向運動を負荷して,剛性およびneutral zone(NZ)を計測した.Graf制動術によって,剛性は顕著に向上し,MFであればintactのFSUに比べて2倍以上に達した.しかし,TFになると剛性は低下し,回旋ではintactのFSU以下にまで低下した.一方,NZは各除圧段階とも顕著に減少し,MFであれば,回旋以外の加重モードではPS固定術と同程度のNZを示した.しかし,TFになった場合,回旋モードではintactのFSUよりもNZは大きくなった.Graf制動術は内側椎間関節切除後には良好な制動力を発揮するが,一側でも椎間関節全切除となった場合は適応外である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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