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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻2号

2004年02月発行

文献概要

症例報告

頚椎に発生した脊索腫再発例の治療経験

著者: 中村昭文1 小泉宗久1 植田百合人1 吉川隆章1 飯田仁1 高倉義典1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科学

ページ範囲:P.225 - P.228

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 抄録:初回手術から長期間を経て中下位頚椎に再発した脊索腫の1例を経験した.症例は67歳の女性,主訴は項部痛および左肩から左上肢にかけての疼痛と筋力低下である.18年前に第4頚椎に発生した脊索腫に対して腫瘍摘出術と前方固定術を当科で施行した.今回撮影した単純X線,CT画像上,椎体の破壊像は広範囲で,辺縁に軽度の骨硬化像を伴っており,腫瘍は椎体左側で脊柱管内および前方外側に進展していた.MRI画像上,腫瘍はT1強調画像で低輝度,T2強調画像で高輝度を呈し,ガドリニウムで不均一に造影された.手術は後方からアプローチし左側のhemilaminectomy後腫瘍を摘出した.病理診断は脊索腫で,前回と同様の組織像を認めた.脊索腫は局所の再発傾向が強い悪性腫瘍であり,特に頚胸腰椎発生例では完全摘出が困難なため,仙尾椎に比べて再発率が高いと言われている.本症例は初回手術時en blocに摘出することができたため長期間無症状に経過したと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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