icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻2号

2004年02月発行

文献概要

症例報告

肺塞栓症を生じた大腿脂肪肉腫の1例

著者: 森谷浩治1 井上善也2 斎藤英彦2 長野純二2

所属機関: 1立川綜合病院整形外科 2聖隷浜松病院整形外科

ページ範囲:P.229 - P.233

文献購入ページに移動
 抄録:症例は61歳,女性.15年前より右大腿部に腫瘤があることに気づいていたが放置していた.誘因なく労作時呼吸困難が生じ,次第に安静時にも認めるようになり当院救急外来を受診した.胸部X線像で左上葉の透過性亢進,軽度の心拡大がみられ,心エコーで右室の著明な拡大を認めた.肺血流シンチで左肺の血流低下がみられ,静脈造影では右大腿静脈は描出されず右大腿静脈に生じた血栓による肺塞栓症と診断された.ウロキナーゼとヘパリン点滴静注が開始され呼吸困難は解消した.右大腿内側の軟部腫瘍が大腿静脈を圧排し,血栓が形成されたと考え腫瘍切除術を施行した.大腿動脈と大腿静脈は腫瘍と癒着し,圧排されていた.病理学的診断は脂肪肉腫であった.切除縁が一部辺縁切除であったため放射線療法を施行した.術後7年11カ月の現在再発転移はなく,下腿に軽度の浮腫を認めるが,膝関節可動域制限はなく無病生存中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら