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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻2号

2004年02月発行

文献概要

症例報告

脊椎カリエスに類似する画像所見を呈した甲状腺癌脊椎転移の1例

著者: 竹中聡1 細野昇1 坂浦博伸1 向井克容1 吉川秀樹1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学(整形外科)

ページ範囲:P.235 - P.239

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 抄録:症例は31歳の女性で,特に誘因なく強い背部痛が出現し両下肢麻痺を生じた.既往として14年前に甲状腺腫瘍切除術を施行され濾胞腺腫と診断されていた.ツベルクリン反応が強陽性で,MRIではT6~8椎体はT1強調画像で低~等輝度,T2強調画像で高輝度を呈し,造影画像で比較的均一な増強効果を認めた.病巣はT6/7,7/8椎間板にも浸潤し硬膜外腫瘤による脊髄の強い圧迫を認めた.さらにX線上椎間板腔の狭小化も認めたため,転移性脊椎腫瘍と脊椎カリエスの鑑別診断が困難であった.生検術の結果は濾胞状甲状腺癌の脊椎転移で,脊椎再建術を施行し独歩可能となった.一般に転移性脊椎腫瘍では椎間板は温存されるが,甲状腺癌のような発育の遅い腫瘍の転移巣では画像上椎間板腔への浸潤を認めることもあり得る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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