icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻2号

2004年02月発行

文献概要

症例報告

半月縫合術後に発生したガングリオンの1例

著者: 名倉一成1 国分毅1 八木正義1 柴原克紀1 岩崎安伸1 吉矢晋一2 黒坂昌弘2

所属機関: 1新須磨病院整形外科 2神戸大学医学部整形外科

ページ範囲:P.253 - P.256

文献購入ページに移動
 抄録:鏡視下半月縫合術後に発生したガングリオンの1例を経験したので報告する.症例は25歳,女性で事務員である.1994年,スキーにて左膝を受傷し,他医で保存的加療を受けていた.1996年,前十字靱帯(ACL)損傷,内・外半月損傷および後外側靱帯損傷と診断され,当院にてACL再建術,外側半月部分切除および内側半月縫合術を受けた.術後経過は良好であったが,術後4年頃より左膝関節内側部に腫瘤を触知するようになり,2002年当院を受診した.MRIで内側半月に接する多房性の腫瘤を認め手術を行った.関節鏡視では内側半月の縫合部は治癒しておらず部分切除を行い,腫瘤の摘出も行った.半月縫合後のガングリオンの成因は,縫合糸を介した滑膜細胞の関節外への浸潤との報告があるが,本症例では組織学的に縫合糸周囲には滑膜細胞は認めず,むしろ半月の変性を基盤として発生したのではないかと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら