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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻2号

2004年02月発行

文献概要

症例報告

小指デュピュイトラン拘縮の再発に対し,広範囲皮膚腱膜切除,全層植皮を行った1例

著者: 亀山真1 手塚正樹1 井上清1 稲見州治1 鈴木信正1

所属機関: 1東京都済生会中央病院整形外科

ページ範囲:P.257 - P.260

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 抄録:小指Dupuytren拘縮の再発例に対し,広範囲皮膚腱膜切除,全層植皮を行った1例を報告する.症例は67歳,男性,1999年5月,右小指Dupuytren拘縮により腱膜切除を受けたが,翌年9月頃より再発を認めていた.手術創には,ケロイドや,近位指皮線を交差する線状瘢痕がありPIP関節は25°の屈曲変形を認めた.触診では皮下に手掌尺側から小指固有指部尺側へ走行する索状硬結を認めた.小指固有指部の皮膚をケロイド,線状瘢痕,索状硬結を含めて広範切除し,鼡径部から全層植皮を行いtie overで固定した.術後2週でtie overを除去後,可動域訓練を行った.術後1年7カ月で病巣の再発はなく,指関節の総伸展不足角度は5°,総屈曲角度は230°であった.広範囲皮膚腱膜切除,全層植皮は再発例の多い欧米で積極的に行われているが,本邦での報告はほとんどない.再発例で皮膚状態が悪く,病巣の皮膚浸潤が想定される例に対し,本法は有用な治療であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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