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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

論述

骨軟部悪性腫瘍診断の遅れ―確定診断まで長期間を要した症例の検討

著者: 武田明1 菊地臣一1 田地野崇宏1 山田仁1 紺野慎一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.279 - P.284

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 抄録:医療機関受診から3カ月以上を経過して初めて悪性腫瘍と診断された高悪性度骨軟部腫瘍症例について検討した.体幹発生例は炎症性疾患や変性疾患と誤診された症例が多く,四肢発生例では良性腫瘍と誤診された症例が多かった.四肢発生の軟部腫瘍では,浅在性の腫瘍であることが診断の遅れの原因の1つであった.早期診断のためには,四肢発生例では皮下に生じた腫瘍であっても悪性腫瘍の可能性が少なくないこと,一方,体幹発生例では非腫瘍性疾患と思われる症状を呈する症例のなかに悪性腫瘍が含まれている可能性があることを念頭に置いて診療することが重要である.また,組織試験切除の標本が不適切であった症例や,病理診断で良性と診断された症例も認められた.組織試験切除の正確な実施と病理医への十分な情報提供が早期診断には重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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