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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

論述

腰痛:患者が手および指で示す疼痛領域の比較

著者: 菅野晴夫1 村上栄一1

所属機関: 1釜石市民病院整形外科

ページ範囲:P.303 - P.307

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 抄録:腰痛の領域を患者に手および指で示させ,それぞれの領域(同定域)を比較した.腰痛患者のうち次の3条件を満たした45例を対象とした.1.立位前後屈または側屈で腰痛が誘発される.2.腰痛の領域が1カ所である.3.下肢痛がない.疼痛領域の同定は,腰痛を誘発し,患者に手および示指で疼痛領域を示させ,さらにその再現性を確認した後に,領域の輪郭を患者の皮膚に記入するという手順で行った.手と指による同定域について,面積を比較し,同定域の位置にズレがあるか否か,どちらがより正確に自覚する疼痛領域を示しているかを調べた.対象のうち,再現性をもって疼痛領域を示した40例を検討した.指による同定域の面積(1~147cm2,平均42cm2)が手による同定域(14~300cm2,平均63cm2)に比べて有意に小さかった.手と指による同定域の位置にズレのある例は40例中17例(42.5%)であった.検討した40例のうち,手と指による同定域が異なった34例中31例(91.2%)で,指による同定域がより正確に自覚する疼痛領域を示していた.腰痛の領域を正確に同定するには,患者に指で示させる必要があると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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