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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

整形外科/基礎

抗生剤含有リン酸カルシウム骨ペーストの強度と徐放効果

著者: 鈴木昌彦1 付岡正1 常泉吉一1 金泰成3 山中一4 中村裕義2 北田光一2 梅田智広5 竹内啓泰5 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科 2千葉大学医学部附属病院薬剤部 3松戸市立病院整形外科 4国立療養所下志津病院整形外科 5三菱マテリアル株式会社

ページ範囲:P.309 - P.314

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 抄録:術後感染は,整形外科治療の成績を低下させる原因であり,特に人工関節手術に及ぼす影響は大きい.本研究の目的は抗生剤を混入したリン酸骨カルシウムペーストの力学試験とin vitroにおける徐放試験を行い,骨欠損に対する充填剤と抗生剤の担体となりうるかを試験することである.抗生剤はバンコマイシン,テイコプラニン,ゲンタシン,アミカシン,フロモキセフを使用した.リン酸骨カルシウムペーストは軟度により2群に分類された.低い軟度で2.5%と5%の抗生剤を含むペーストは作成後5日目で50MPa以上の良好な力学強度を示した.ペーストからの抗生剤の徐放率と徐放量は,添加した抗生剤の量,種類,ペーストの軟度に依存した.バンコマイシン,テイコプラニン,ゲンタシン,アミカシンは良好な徐放を示したが,フロモキセフはほとんど徐放しなかった.このシステムは,ペーストの軟度と抗生剤の種類と量を変えることで様々な手術に応用可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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