調査報告
腰痛特異的QOL尺度:Roland-Morris Disability Questionnaireの性・年齢階層別基準値の測定
著者:
髙橋奈津子12
菊地臣一3
福原俊一2
鈴鴨よしみ2
紺野愼一3
森田智視2
岩本幸英4
中村孝志5
所属機関:
1特定非営利活動法人(NPO)健康医療評価研究機構
2京都大学大学院医学研究科医療疫学分野
3福島県立医科大学医学部整形外科
4九州大学医学研究院整形外科
5京都大学医学研究科整形外科
ページ範囲:P.315 - P.320
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抄録:〔目的〕腰痛特異的QOL尺度の性・年齢別基準値を,国民を代表とするサンプルより推定する.〔対象〕腰痛の有無に関わらず,日本国民から無作為抽出された成人集団約4,500人を対象者とした.〔方法〕質問紙留め置き調査法による,横断的観察研究を2002年に実施した.調査項目は,腰痛有無(L2・L3から殿部にかけた痛み,かつ,24時間以上続く痛み),腰痛特異的QOL尺度であるRoland-Morris Disability Questionnaire(RDQ),性・年齢等の個人属性を調査した.〔結果〕腰痛有訴者のRDQ基準値は,男性3.67,女性4.22,全体3.97であった.また,回答者全体のRDQ基準値は,男性1.54,女性1.75,全体1.65であった.〔結語〕腰痛有訴者の腰痛特異的QOL基準値は,調査対象となる結果と比較することにより,腰痛症状による日常生活へのインパクトを相対的に示すことができる.