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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

臨床経験

腓骨採取後の骨補填材料としてのβ-tricalcium phosphate(β-TCP)の使用経験

著者: 新井英介1 中島浩敦1 筑紫聡1 紫藤洋二1 西田佳弘2 山田芳久2 杉浦英志3 片桐浩久4

所属機関: 1名古屋記念病院整形外科 2名古屋大学医学部整形外科 3愛知県がんセンター整形外科 4静岡県立静岡がんセンター整形外科

ページ範囲:P.331 - P.335

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 抄録:四肢骨腫瘍手術の際,腓骨を再建材料として用いることがよくある.腓骨は骨幹部がなくても障害はないとされるが,経過観察の際の画像検査で,腓骨採取側の足関節やけい骨に負荷がかかっていることを示唆する所見をみることがある.したがって,腓骨の再建が必要であるとの考えから,われわれは,腓骨の再生を期待し,腓骨欠損部に骨補填材料としてβ-tricalcium phosphate(オスフェリオン)を使用してきた.対象は,骨腫瘍に対し腓骨移植を行った症例14例で,経時的X線変化について検討した.平均経過観察期間は16カ月で,14例中12例で,平均43日でオスフェリオンを架橋する仮骨形成が認められ,12例中11例で,平均9.3カ月で骨梁の再開が認められた.特に小児例は全例早期に腓骨再生が得られた.血管柄付き腓骨採取例では,腓骨の再生はみられなかった.腓骨再生により,腓骨欠損後の下腿・足関節の障害を防ぐ可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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