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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

非定型抗酸菌(Mycobacterium avium complex)による橈骨骨髄炎の1例

著者: 西原寛玄1 渡辺康司1 棚瀬嘉宏1 織辺隆1

所属機関: 1済生会兵庫県病院整形外科

ページ範囲:P.337 - P.340

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 抄録:非定型抗酸菌による右橈骨骨髄炎の1例を経験したので報告する.症例は65歳,男性,職業は植木職人であった.主訴は左前腕部痛,腫脹で,特に誘因なく左前腕部痛が出現し腫張,肘関節運動時痛に気付いたため当科を初診した.初診時,左前腕近位部に腫脹,熱感,圧痛を認め,血液学的検査で軽度の炎症反応がみられた.単純X線像では橈骨粗面レベルにおいて空洞状骨吸収像,MRIではT1強調像で橈骨骨髄近位部に低信号域,T2強調像で等~高信号域の混在がみられた.観血的生検では橈骨髄内に膿の貯留があり,培養の結果非定型抗酸菌(Mycobacterium aviumcomplex)と同定された.4剤併用化学療法を施行するも手術創部より瘻孔形成,膿排出がみられたので,再手術時に掻爬とともに自家腸骨移植を行った.その後,リファンピシン,クラリスロマイシン,サイクロセリンの投与にて症状軽快し経過良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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