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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

長期追跡した慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)の1例

著者: 小山内俊久1 浅野多聞1 土屋登嗣1 石川朗2

所属機関: 1山形大学医学部整形外科 2山形県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.345 - P.350

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 抄録:慢性再発性多巣性骨髄炎(chronic recurrent multifocal osteomyelitis,以下CRMO)の1例を70カ月間の画像所見を中心に報告する.症例は左膝痛を主訴とする初診時14歳の女児である.初診時の単純X線像では,左けい骨近位骨幹端の線維性骨皮質欠損の他に異常はなかった.症状は一時消失したが初診から23カ月時に再発し,単純X線像で左けい骨近位骨幹端に溶骨像と硬化像を認めた.骨シンチグラフィーでは左けい骨近位部の他,左けい骨遠位部,仙椎に異常集積を認めた.左けい骨から生検を施行したが起因菌は検出されずCRMOと診断した.非ステロイド性消炎鎮痛剤により症状は消失したが,39カ月時にはけい骨近位部は著明な硬化性骨肥厚を呈するに至った.60カ月時に骨髄炎が再発したが,70カ月時には軽快した.診断確定に最も重要なのはCRMOという疾患概念を認識しているか否かである.CRMOは長い経過をたどり,小児では局所的予後が必ずしも良好とは限らないので注意を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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