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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

MRIで診断がつかなかった大腿骨頚部不顕性骨折の1例

著者: 桃井義敬1 尾鷲和也1 渡邉忠良1 尾山かおり1 山田哲史1

所属機関: 1市立酒田病院整形外科

ページ範囲:P.351 - P.355

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 抄録:症例は78歳,女性.右股関節痛および歩行困難を主訴に来院.大腿骨頚部骨折を疑い,単純X線撮影を行ったが骨折を指摘できなかったため,MRIを施行した.しかしながら同検査にても不顕性骨折は指摘できず,歩行訓練を開始した.訓練開始数日後,いったんは歩行器歩行が可能となったが,入院26日目,股関節痛が残り,SLRも不可能となったため再度X線撮影を行ったところ,大腿骨頚部内側骨折を認めた.その後,本患者は人工骨頭挿入術を受け,現在は独歩可能である.最近ではMRIの普及により,不顕性骨折の診断がより確実に下されるようになった.しかし原因が明らかでなく症状が続く場合,初期MRIの結果を過信せず,患者の訴えを聞き,経過を十分に観察し,時には再検査を行いながら原因を明らかにすることが大切であると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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