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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

有痛性尺骨茎状突起骨核融合不全の1例

著者: 住浦誠治1 宮本龍彦1 山本学1 二武皇夫1 岩永隆太1 山本久司2

所属機関: 1社会保険徳山中央病院整形外科 2山口労災病院整形外科

ページ範囲:P.357 - P.360

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 抄録:有痛性尺骨茎状突起骨核融合不全(Painful unfused separate ossification center of the ulnar styloid)の1例を経験した.28歳,男性で,約1年前より明らかな外傷歴なく,左手関節尺側に疼痛が出現し,徐々に増強し,仕事に支障をきたすようになった.初診時,左手関節尺骨茎状突起部に圧痛を認め,手関節背屈で手関節尺側に疼痛を訴えたが,可動域制限はなかった.単純X線像で尺骨茎状突起基部の偽関節様像を認めた.骨片は丸く辺縁は滑らかであった.透視下にリドカインによる尺骨茎状突起基部の間隙への浸潤麻酔試験で疼痛は消失した.骨移植のうえ,tension band wiringを施行し,術後3カ月で骨癒合を獲得した.左手関節痛は完全に消失し,原職に復帰した.Unfused separate ossification center of the ulnar styloidは稀な状態であるが,手関節の疼痛や機能障害の原因になりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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