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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

腫瘍切除後非血管柄付き遊離腓骨移植を用いて再建した橈骨遠位端骨巨細胞腫の2例

著者: 中島浩敦1 西田佳弘1 山田芳久1 杉浦英志2 浅野昌育3 柘植哲3 石川忠也3

所属機関: 1名古屋大学医学部整形外科 2愛知県がんセンター整形外科 3名古屋第一赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.367 - P.371

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 抄録:橈骨遠位端骨巨細胞腫切除後に,非血管柄付き遊離腓骨近位端を用いて手関節形成を行った2例を経験した.症例1は16歳,Campanacci分類Grade 2であった.骨癒合は6カ月で得られた.術後5年で,単純X線像上再発はなく,関節症変化を認めるが,疼痛はなく,手関節の可動域は,背屈55°,掌屈50°,握力は健側の77%で,Ennekingの患肢機能評価は96%である.症例2は52歳,Campanacci分類Grade 3であった.術後,骨接合部で骨折を起こしたが,ギプスと装具で骨癒合が得られた.骨シンチグラフィー上,移植骨への集積がみられた.術後1年4カ月で,手関節の可動域は,掌屈・背屈とも15°で,握力は健側の55%で,Ennekingの機能評価は73%である.腫瘍を一塊に切除し,遊離腓骨で再建することで,腫瘍の良好な局所コントロールと手関節機能の獲得が可能であった.橈骨遠位端の腫瘍摘出後に広範な骨欠損が生じた場合の再建方法として,簡便で有用な選択肢となりうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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