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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

椎間板ヘルニアと同一高位に生じた馬尾神経鞘腫の1例

著者: 高澤誠1 村上正純1 高橋和久1 大河昭彦1 黒川雅弘1 男澤朝行1 守屋秀繁1

所属機関: 1千葉大学大学院医学研究院整形外科学

ページ範囲:P.373 - P.377

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 抄録:同一高位に椎間板ヘルニアを合併した馬尾腫瘍の1例を経験し報告した.症例は41歳,男性で主訴は腰痛,両下肢筋力低下である.MRIにてL4/5の椎間板ヘルニアとL4椎体高位の硬膜内にT1強調画像にて椎間板と等信号強度,T2強調画像にて高信号強度,Gdにて不均一に造影される不定形な腫瘤像を認めた.腫瘤の鑑別疾患として硬膜内脱出ヘルニアあるいは馬尾腫瘍が疑われた.手術は後方除圧術と腫瘤摘出術を施行した.腫瘤は馬尾腫瘍であり,病理所見は神経鞘腫であったが,術中所見として全周性のくも膜炎,腫瘍被膜の著明な肥厚,馬尾の癒着を認めた.本例は,下肢痛を伴わない両下肢筋力低下および術中所見から馬尾腫瘍が主病態と考えられたが,急性腰痛での発症には,椎間板ヘルニアが影響したものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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