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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻3号

2004年03月発行

文献概要

症例報告

環椎後弓欠損の1例―新たな臨床分類の提案

著者: 伊崎輝昌1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院整形外科

ページ範囲:P.379 - P.383

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 抄録:環椎後弓欠損は稀な先天異常である.その形態は後弓の一部が欠損する例から全く形成がないものまで様々である.本論文では環椎後弓欠損症例の画像所見を示し,本病態の文献的考察を行う.20歳の女性が環椎後弓の異常を指摘され紹介された.単純X線,CTでは環椎後結節部を除き環椎後弓は欠損していた.MRIでは環椎,軸椎レベルの脊髄に信号異常を認めなかった.主訴は頭重感,頚部痛,右上肢の重だるさであったが,神経学的異常は認めなかった.緊張型頭痛の診断で仕事時の姿勢,睡眠不足などの改善を指導するとともに,筋を弛緩させるための体操を行わせた.薬物療法として筋弛緩剤の投与も行い症状は軽快した.解剖学的検討や手術例の所見では,後弓の骨欠損部には軟骨組織はなく密な結合組織となっている.このことは,本病態が骨化過程の異常ではなく,それ以前に生じる軟骨化の異常,または間葉系の分化異常によって生じる可能性を示唆している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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