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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2004(第32回日本脊椎脊髄病学会より)

腰部神経根症の基礎と臨床―椎間板組織による疼痛発現を中心に

著者: 川上守1 橋爪洋1 松本卓二2 吉田宗人1 玉置哲也3

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科 2済生会有田病院整形外科 3愛徳医療福祉センター

ページ範囲:P.431 - P.438

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 抄録:腰椎椎間板ヘルニアによる疼痛発現機序はいまだ十分解明されていない.われわれは神経因性疼痛の一症状である痛覚過敏を指標に腰椎椎間板ヘルニアモデルを作成し,その発現機序について検討してきた.髄核,線維輪をラット神経根上に留置すると一過性の痛覚過敏が出現し,この発現にはアラキドン酸代謝系や一酸化窒素が関与することを証明した.髄核組織そのものよりも髄核により生じた神経根周辺の炎症が痛覚過敏に関連すること,神経根に機械的圧迫が加わることで異なる痛覚過敏が発現することを示した.また,変性髄核ではより強い痛覚過敏が長時間発現することが判明した.これらの知見を紹介するとともに,臨床との関連性について述べた.われわれの作成した種々の椎間板ヘルニアのモデルは腰部神経根症の臨床的特徴を一部説明可能である.作成したモデルにおける痛覚過敏の発現機序を解明することは新しい治療戦略を確立するためにも極めて重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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