icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2004(第32回日本脊椎脊髄病学会より)

頚椎症性脊髄症の自然経過―入院保存治療例についての検討

著者: 下村隆敏1 鷲見正敏1

所属機関: 1国立神戸病院整形外科

ページ範囲:P.439 - P.444

文献購入ページに移動
 抄録:頚椎症性脊髄症(CSM)の入院保存治療後における自然経過について調査し,その悪化因子について検討した.入院による頚椎持続牽引療法を施行したCSM 85例(男61例,女24例,平均58.0歳)の予後を調査した.追跡調査期間は平均35カ月であった.追跡調査時に退院時よりも日整会点数が低下している症例を「悪化例」とした.悪化例は24例であった.悪化例は脊髄症病型分類(服部)ではⅡ型,Ⅲ型に多く(32.1%,37.5%),脊髄横断面形態(MRI)では三角型に多くみられた(46.7%).入院時保存治療に効果を認めた症例では調査時に悪化例がかえって多くなっていた(45.9%).入院時日整会点数13点未満の症例は悪化例が52.6%を占めていた.日整会点数13点未満例に対しては手術治療を,13点以上例に対しては保存治療を優先し,病型分類・脊髄横断面形態・入院保存治療の効果の有無などを参考に手術治療の適応を決定する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら