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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2004(第32回日本脊椎脊髄病学会より)

急性腰痛の臨床症状と画像所見の検討

著者: 武者芳朗1 小林俊行1 若江幸三良1 水谷一裕1 高橋寛2 岡島行一2

所属機関: 1東邦大学第2整形外科 2東邦大学整形外科

ページ範囲:P.519 - P.525

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 抄録:1日以内で急激に発症した腰痛,殿部痛で,下肢の疼痛,神経症状を伴わない非特異的急性腰痛130例,男性77例,女性53例,平均年齢42.4歳を対象とし,発症様式から動作によるぎっくり腰,疲労などの誘因あり,なしの3群に分け,臨床所見と画像所見からその特徴を検討した.発症様式による差は認められなかった.急性腰痛の既往を有する割合が高く,疼痛は当初激烈であるが早期に緩解していた.X線所見では不安定性の頻度は低く,MRIでは軽度から中等度の椎間板変性を高率に認め,突出度はわずかであった.20歳代で非腰痛群と比較しても結果は同様であったことから,早期の段階での椎間板障害の存在が考えられ,椎間板のある程度の強度低下や機能障害に基づき,機械的刺激や疲労の蓄積で反復性に急性発作を生じるものと思われた.椎間板ヘルニア例に持続期間が長く,椎間板の器質的変化が進行すると疼痛は遷延化することが示された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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