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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2004(第32回日本脊椎脊髄病学会より)

いわゆる「ぎっくり腰」における椎間板の関与

著者: 兵藤弘訓1 佐藤哲朗1 佐々木祐肇1

所属機関: 1仙台整形外科病院

ページ範囲:P.527 - P.533

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 抄録:いわゆる「ぎっくり腰」における椎間板の関与を検討するために,MR像で推定した責任椎間板内に局所麻酔剤を注入し,除痛効果がみられたものを椎間板性「ぎっくり腰」として,その特徴と発症機序を検討した.いわゆる「ぎっくり腰」の55例中,椎間板性と診断されたのは40例(73%)であった.平均年齢が37歳で,日常の何気ない動作で発症した症例が18例(45%)であった.両側性の腰痛が19例(48%)であり,傍脊柱筋に圧痛のない例が29例(73%)であった.単純X線像では,椎間板の変性は軽度なものが多かった.椎間板造影像では後方線維輪までの放射状断裂が全例にみられたが,硬膜外腔への流出像は6例(15%)にのみみられた.T2強調MR像での椎間板の変性度(Gibson分類)は,gradeⅢが30例(75%)であった.造影MR像では,椎間板後縁に明らかな造影領域が19例(48%)にみられた.椎間板性「ぎっくり腰」の発症機序は,放射状断裂を呈する中等度の変性椎間板において,椎間板後方線維輪の肉芽組織に置換された無症候性断裂部位に再断裂が生じることで,多くが発症していると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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