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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2004(第32回日本脊椎脊髄病学会より)

腰椎不安定性に関するX線学的因子と年齢分布―加齢による不安定形態の変遷

著者: 井口哲弘1 笠原孝一1 金村在哲1 赤浦潤也1 佐藤啓三1 伊藤研二郎1 栗原章2

所属機関: 1神戸労災病院整形外科・勤労者腰痛センター 2西病院

ページ範囲:P.535 - P.541

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 抄録:腰椎の矢状面不安定性に関する3つのX線学的因子(3mm以上の中間位すべり度と前後動揺度,10°以上の椎間可動角)の年齢分布について調査した.方法は測定に影響する種々の因子を除いた外来患者880例を5歳ごとの15群に分け,各因子を有する割合を年代別に調べた.結果は椎間可動角と前後動揺度は30歳以下の若年者と46歳以降の中高年者に多い2相性のピークを示した.しかも椎間可動角の異常は若年者に多く,反対に前後動揺度は46歳以降で多く認められた.中間位すべりは46歳以降で加齢とともに次第に増大していた.以上の結果から46歳~50歳にかけての年代は椎間不安定性に関する発症危険年代と考えられた.また中間位すべりは年齢とともに増大しており,不安定性の最終段階で非可逆性変化と思われた.結論として矢状面不安定性因子は年齢と密接な関連があり,今後の年齢別調査の進展により各因子間の相互関係がより明確になると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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