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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2004(第32回日本脊椎脊髄病学会より)

炎症性サイトカイン,血管新生促進因子,各種酵素の椎間板ヘルニア自然退縮機序における相互作用

著者: 加藤剛1 波呂浩孝1 小森博達1 四宮謙一1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院脊椎脊髄神経外科学

ページ範囲:P.543 - P.548

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 抄録:椎間板ヘルニアの自然退縮機序を解明するため,その機序に必須とされている炎症性サイトカイン,血管新生促進因子,および各種タンパク分解酵素について,活性型マクロファージと椎間板組織による共培養モデルを用い,経時的発現パターンと各因子の相互作用について検討した.椎間板組織と活性型マクロファージの接触により,炎症性サイトカインであるTNF-αの強発現がまず認められ,次いで血管新生促進因子であるVEGFやマトリックス分解酵素であるu-PA,plasmin,MMPsの発現が認められた.また,u-PAの発現がTNF-αやVEGFによって促進されることも明らかとなった.これらより椎間板ヘルニア自然退縮機序のカスケードを想定した.TNF-αが炎症のイニシエーターとして働き,血管新生と各種酵素の発現を行うと考えられ,酵素間では,セリンプロテアーゼがMMPsの活性化に作用していることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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