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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻4号

2004年04月発行

文献概要

特集 脊椎脊髄病学 最近の進歩 2004(第32回日本脊椎脊髄病学会より)

脊椎手術後の肺塞栓症と深部静脈血栓症の検討

著者: 長谷川雅一1 児玉隆夫2 中川智之2 宝亀登2 市村正一1 里見和彦1

所属機関: 1杏林大学医学部整形外科 2国立療養所東埼玉病院

ページ範囲:P.595 - P.601

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 抄録:脊椎手術後の合併症としての肺塞栓症(以下PE),臨床的深部静脈血栓症(以下DVT)につき検討した.対象は前方固定術6例,開窓術20例,PLIF10例の計36例で前方固定術以外は腹臥位で行った.PEの診断は肺血流シンチグラムで行い,術前と比べ術後1~2週で新たな欠損像を示すものとし,DVTは疼痛,腫脹,圧痛,Homans徴候のある例とした.脊椎手術におけるPE,臨床的DVTの発生頻度と血液ガス,凝固線溶系マーカー(TAT,D-dimer)の有用性につき検討した.PE,臨床的DVTはそれぞれ2例(5.6%)に認めたが,両者の同時発生はなかった.PEは無症候性であったが,PaO2は術後1週で約20%低下し,D-dimer値は2週時に高値を示した.脊椎手術におけるPE,DVTの発生頻度は必ずしも低くはなく,これらの合併症を常に念頭に置き治療にあたる必要がある.脊椎手術後のPE,DVTのスクリーニングとして,血液ガス分析,D-dimer測定は低コスト,低侵襲で有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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