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シンポジウム 手指の関節外骨折
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著者: 荻野利彦1
所属機関: 1山形大学医学部運動機能再建・回復学分野
ページ範囲:P.624 - P.625
文献購入ページに移動手指の関節外骨折の診断に際しては,短縮変形,角状変形(屈曲・伸展変形と側方偏位),回旋変形を適切に評価する必要がある.実際の診断に際しては,側方偏位の有無は指伸展位で損傷指と隣接指あるいは反対側の指を比べる.また,回旋変形の判定では,指屈曲位で爪甲の並びを損傷指と隣接指で比較する.その際,通常では指屈曲位で爪甲は平行になるが,示指と小指では正常でもわずかな回旋や偏位があるので注意を要する.いったん,変形がないことを確かめても外固定中に変形が出現する場合もあり,特に保存療法では治療中継続した変形の観察が必要である.
X線像の読影に際しては,正しい正面,側面像を撮影することが大切である.基節骨の基部より近位の骨折では指が重なるため正確な側面像の撮影は困難であり,これを補うための斜位像も必要である.また,X線所見のみでは骨折を見落とす可能性があるので,疼痛を訴える部位,圧痛のある部位などの臨床像を加えて総合的に診断することが大切である.
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