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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻5号

2004年05月発行

文献概要

論述

TransFix system®を用いた膝屈筋腱による膝前十字靱帯再建術―早期荷重による臨床的・社会的利害得失

著者: 長総義弘1 菊地臣一1 近内泰伸1 沼崎広法1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部整形外科

ページ範囲:P.667 - P.672

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 抄録:膝屈筋腱を移植腱とし,TransFix system®によって固定する前十字靱帯(ACL)再建術では,固定間距離が短く,優れた初期固定力を有している.今回,本術式を用いた術後リハビリテーションを従来法(全荷重4週)と早期全荷重とで比較し,その利害得失について検討した.症例はACL再建術を受けた連続する41例(男20・女21,平均27歳)で,後療法によって前向きに2群に分類した(従来群21膝・早期群20膝).その結果,臨床的には,術後の膝安定性や筋力の回復,膝関節水症の有無では両群間に有意な差はみられなかった.一方,社会的には,早期群では術後入院期間が平均11日と約5日短縮し,社会復帰までの期間も平均28日と約2週短縮していた.また,入院費用も有意に減少した.本術式による早期荷重プログラムは,安全かつ早期に社会復帰を可能とし,社会的損失を減少させることが可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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