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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻5号

2004年05月発行

文献概要

境界領域/知っておきたい

FES(functional electrical stimulation)

著者: 島田洋一1

所属機関: 1秋田大学医学部附属病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.686 - P.688

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■はじめに

 脊髄損傷による四肢麻痺,対麻痺,脳卒中片麻痺では,機能向上の手段として,社会生活に適応するためのリハビリテーションや車椅子,杖,装具などの補助具がある.これらにより,ある程度の活動性は得られるが,十分とはいえない.しかし,このような上位運動ニューロン障害では,脳,脊髄などが障害されても,末梢の神経の興奮は維持されており,電気刺激を与えることで,四肢の筋に活動を起こし,目的とした動作を再現できる.そこで,より健常に近い機能を再建するため,麻痺した四肢を電気刺激で動かし,コンピュータ制御によって目的とした機能を再建する機能的電気刺激(functional electrical stimulation, FES)が用いられる.FESは刺激電極,刺激装置,コンピュータ,センサーのめざましい進歩により再建できる機能も増え,より実用的となった.これまでのところ,脊髄損傷に対して,上肢では飲食,書字,整容,トランスファーが,下肢では起立・着席,起立維持が実用的であり,歩行は症例により差がある.脳卒中では,歩行再建,上肢の押さえ手機能が再建できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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