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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻5号

2004年05月発行

文献概要

臨床経験

Dall進入路における大転子部合併症について

著者: 加藤充孝1 野口耕司2 杉谷繁樹1 高津敏郎1 石川裕志1 中川偉文1 河田好泰1

所属機関: 1岐阜市民病院 2野口整形外科内科病院

ページ範囲:P.695 - P.699

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 抄録:当院では主にDallの進入路にて人工股関節全置換術(THA)を施行してきたが,術中,術後に大転子骨折,切離骨片の転位等の合併症を経験し,その発生頻度,発生時期等を調査した.Dallの進入路にてTHAを施行されX線像で評価可能であった105例118関節を対象とした.大転子骨折は11関節に認められ,変形性股関節症(OA)群では6.1%,関節リウマチ(RA)群では15%の発生率であった.切離骨片の転位は15関節に認められ,OA群中16%,RA群中5%の発生率であった.大転子骨折は2関節では術中に,9関節では術後2週間以内に発生していた.大転子骨折に対し5関節に整復固定術を施行し骨癒合を認めた.保存的に加療した6関節のうち,4関節は偽関節となった.切離骨片転位例では骨癒合を9関節に,偽関節を6関節に認めた.また術後股関節脱臼を大転子合併症なし群では1例に,大転子合併症あり群では3例に認めた.大転子骨折はRAに,切離骨片の転位はOAに多い傾向を認めた.また大転子合併症は脱臼の危険因子になると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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