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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻5号

2004年05月発行

文献概要

臨床経験

65℃熱処理自家罹患骨を用いた骨軟部悪性腫瘍の治療成績

著者: 穴澤卯圭1 矢部啓夫1 森岡秀夫1 南雲剛史1 鈴木禎寿1 三浦圭子1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学

ページ範囲:P.743 - P.749

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 抄録:骨軟部悪性腫瘍の切除後に行った熱処理自家骨移植の治療成績を検討した.対象は1994年から2001年まで治療した18例で,疾患は原発性骨悪性腫瘍13例,転移性骨腫瘍3例,骨合併切除を行った悪性軟部腫瘍が2例だった.部位は上腕骨3例,大腿骨7例,けい骨6例,骨盤2例で,移植法は節状骨移植5例,骨軟骨移植2例,欠損部補填5例,人工物との組み合わせが6例だった.骨癒合は15例(83%)に認め,残りの3例中2例は術後感染による移植骨の抜去,1例は死亡例で骨癒合が確認できなかった.術後合併症は感染を骨盤2例,けい骨近位2例,計4例(22%)に,骨折を大腿骨1例に認めた.骨癒合期間はX線所見上3~66カ月で認めた.骨癒合まで2年以上を要した2例は,セメントレス人工膝関節との組み合わせ例だった.熱処理自家骨移植を行ううえで,移植骨の固定性が重要で,軟部の合併切除が大きい骨盤,けい骨移植例については感染を十分考慮する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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