icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻5号

2004年05月発行

文献概要

症例報告

剣道選手に発生した左小指中手指節(MP)関節の離断性骨軟骨炎の1例

著者: 岩田勝栄1 谷口泰徳1 石元優々1 北野岳史1 吉田宗人1

所属機関: 1和歌山県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.757 - P.760

文献購入ページに移動
 抄録:症例は14歳,男性,2年間剣道のスポーツ活動を行っていた.主訴は左小指の疼痛と屈曲制限であった.2002年6月,外傷なく,左小指中手指節(MP)関節の疼痛と屈曲制限が出現し,2002年12月3日,症状の改善がないため,当科を受診した.左小指MP関節には軽度の腫脹,圧痛があり,関節可動域は伸展0°,屈曲30°で,運動時痛が認められた.単純X線像は,基節骨基部に軟骨下骨の硬化像と陥凹を示し,断層写真では遊離した軟骨下骨が関節内にみられた.離断性骨軟骨炎と診断し,2002年12月19日に遊離体摘出術を行った.術後5カ月の関節可動域は自動で伸展0°,屈曲50°,他動で伸展60°,屈曲85°で,疼痛は認めなかった.手指における離断性骨軟骨炎は稀で,われわれの渉猟し得た範囲では,手指MP関節の基節骨側に発生した報告はなかった.本症の発生機序は,竹刀を振るという動作により,外力が左小指MP関節に反復性に働いたためと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら