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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻6号

2004年06月発行

文献概要

症例報告

骨粗鬆症性胸腰椎椎体骨折後の不安定性に起因した遅発性脊髄障害の2例

著者: 安宅洋美1 丹野隆明1 根本哲治2 中田好則3

所属機関: 1松戸市立病院整形外科 2国立佐倉病院整形外科 3船橋整形外科西船クリニック

ページ範囲:P.851 - P.856

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 抄録:骨粗鬆症性胸腰椎椎体骨折偽関節後の不安定性に起因した遅発性神経障害の2例を経験した.
 症例1は79歳,男性,遅発性脊髄障害を伴うL1椎体偽関節で,前後屈異常可動性があり,MRIで同部に脊髄の腫脹が認められた.保存治療を施行し,1年11カ月後に骨癒合と脊柱の安定化が確認され,脊髄の腫脹も消退し,神経症状にも改善がみられた.症例2は82歳,女性,T12椎体骨折後偽関節で,保存的治療を7カ月施行したが,遅発性脊髄障害が進行した.画像上骨片による脊髄圧迫は軽度であったが,骨折部の不安定性を認めたため,除圧せずにT7-L3後方固定術を行った.術後1年7カ月の現在,骨折部は癒合し,神経症状およびADLは著しく改善している.以上より,本症の病態には動的因子が主因となっていることがあり,除圧をしない後方固定術単独,保存治療によっても神経学的改善が得られる可能性が示唆され,今後選択すべき治療の1つと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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