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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻6号

2004年06月発行

文献概要

症例報告

THAのステム下骨折後MRSA骨髄炎を併発して治療に難渋した1例

著者: 永野昭仁1 堀裕彦1 小倉広康1 武内章彦1 金森康夫1 葛西千秋1

所属機関: 1彦根市立病院

ページ範囲:P.861 - P.863

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 抄録:人工股関節ステム下骨折術後遅発性MRSA骨髄炎を来した87歳の女性に対し,治療に難渋したものの最終的に大腿骨全置換術を行い,患肢温存が可能であったので報告する.病巣郭清を複数回にわたり行ったため,bone stockが極端に不足した状況を余儀なくされ,早期離床のためには股関節離断も考慮されたが,患肢温存に対する強い希望があり,大腿骨全置換術という術式を選択した.幸い,術後経過は良好で,患者の満足度も高い.人工関節術後感染は感染の鎮静化に苦慮するばかりでなく,関節機能温存も同時に考慮しなければならないため,治療に難渋する.その治療法は人工関節の再置換術が一般的であるが,自験例のように骨髄炎の鎮静化が遷延する症例には大腿骨全置換術という相対的治療適応が存在すると考えられた.しかし,感染の再燃を念頭においた長期間の経過観察は極めて重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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