icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻7号

2004年07月発行

文献概要

手術手技/私のくふう

上位胸椎疾患に対する前方除圧固定術―経胸鎖関節進入法を用いて

著者: 田村睦弘1 斉藤正史1 高倉基1 河野仁1 須田義朗1 塩田匡宣1 町田正文1 柴崎啓一1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構村山医療センター整形外科

ページ範囲:P.927 - P.932

文献購入ページに移動
 抄録:上位胸椎部の胸髄症において経胸鎖関節進入による胸椎前方固定術を施行し良好な臨床成績を得た.疾患は胸椎カリエス3例,胸椎症性脊髄症1例であり,全例に両下肢の不全麻痺,知覚障害を認めた.手術は下位頚椎前方進入の皮切を延長し,鎖骨中枢端と胸骨柄の一部を一塊として摘出して病巣部の除圧操作を行い,摘出した鎖骨胸骨複合体を移植骨として使用し椎体間固定を行った.全例に骨癒合が得られ臨床症状も改善した.術後,本進入法による前胸部や鎖骨部の疼痛,右肩関節の可動域制限を認めていない.上位胸椎はその解剖学的構造から前方進入が困難な部位であり種々の進入法が検討されている.今回行った進入法は比較的小さい骨切除で良好な術野が得られ,展開時に切除した胸骨鎖骨複合体をそのまま移植骨として使用できるため有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら