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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻7号

2004年07月発行

文献概要

連載 医療の国際化 開発国からの情報発信

海外医療ボランティア活動記(7)―ルワンダ(その3)

著者: 藤塚光慶1 藤塚万里子2

所属機関: 1松戸市立病院 2松戸市健康福祉本部

ページ範囲:P.950 - P.952

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(6号よりつづく)
ボランティアのフランス人が毒殺された
 ある日のUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の催す会合で「NGOのボランティアが殺された.すべてのNGOはブカブから退去せよ」と言い渡された.「フランス人が毒殺されたらしい」との噂だった.私からみると,フランス人や元植民地宗主国の人たちは黒人を見下すようなところがある.私たちはホテルのレストランでザイール人のクリスパンと一緒に夕食をとることがあったが,彼らは決して黒人と食事をともにしない.医師が出す薬も錠剤だけで,子供にも飲みやすい水薬,シロップなどは「黒人にはそのようなものがあることは知らせない」というやり方だ.救援に来ていてもどうしても白人が黒人をつかっているという態度が出てしまう.だから,多分,個人的な恨みから殺されたのだろう.MSF(国境なき医師団)のフランスチームも若い人が大勢来ていたが,地元民は彼らのことを「ただ,ブーブーと町中を行ったり来たり車を走らせているだけだ」と言っていた.日本はアフリカでは歴史的,政治的に中立なので大丈夫と思っていたが,ヨーロッパ系の元宗主国の人々にとってはかなり危険な緊迫した状況であったらしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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