icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻8号

2004年08月発行

文献概要

連載 医者も知りたい【医者のはなし】 10

シーボルト事件―第2回 シーボルト事件と帰国後のシーボルトについて

著者: 木村專太郎1

所属機関: 1木村専太郎クリニック

ページ範囲:P.1082 - P.1086

文献購入ページに移動
■シーボルト事件

 文政11年(1828)8月初旬,オランダ船コルネリウス・ハウトマン号が長崎港に着き,9月20日に任期の終了するシーボルトを乗せて出航する予定であった.船が入港した後,日本で収集した多くの資料を荷造りし,ほとんどをオランダ船コルネリウス・ハウトマン号に積み入れていた.しかし8月10日にすさまじい雨風が襲来し,コルネリウス・ハウトマン号は岩礁に当たり難破した.船に積み入れていたシーボルトの荷物が流出し,役人が調べると,その中に国外搬出を禁じていた物品が多く発見された.禁制品の出所は厳しく詮議され,出所が判明した.その中の代表的な品物で歴史的に有名なものは,眼科医土生玄碵の贈った葵のご紋の入った紋服と,天文学者高橋作左衛門が贈った日本地図の2つである.これによりシーボルトに関係したものが,約50人逮捕されたり,蟄居させられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら