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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻8号

2004年08月発行

臨床経験

外傷性脊椎後弯変形に対する手術療法

著者: 田村睦弘1 斉藤正史1 高倉基1 河野仁1 須田義朗1 塩田匡宣1 町田正文1 柴崎啓一1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構村山医療センター整形外科

ページ範囲:P.1097 - P.1102

文献概要

 抄録:脊椎外傷により脊椎後弯変形を呈した7例に対して脊椎矯正術を行った.全例胸椎脱臼骨折が原因で,局所の疼痛が強く体幹バランスが不良であった.手術は前後合併手術を4例,後方進入単独の矯正骨切り固定術を3例施行した.全例に骨癒合が得られ,後弯部の疼痛は消失した.脊椎後弯変形の手術療法における問題点として,矯正における整復障害因子(軟部組織の拘縮,大血管の癒着)の除去,罹患椎の再建,矯正位の保持が挙げられる.後弯が高度である場合には椎体前方部の剝離が困難であるため,前後合併手術が安全である.また不全麻痺例では,後方単独では除圧操作が困難なため前後合併手術が安全である.一方,後弯や椎体損傷の程度が比較的軽度であり,完全麻痺例の場合には後方進入単独のみで対処可能であり,症例に応じた術式の選択が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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