文献詳細
文献概要
視座
神経障害とその予後
著者: 谷俊一1
所属機関: 1高知大学医学部・生体機能・感染制御学講座運動機能学
ページ範囲:P.1143 - P.1144
文献購入ページに移動末梢神経や神経根,馬尾,脊髄白質はいずれも軸索と髄鞘(有髄線維)からなる神経線維であり,インパルスの伝播によって中枢から末梢あるいは末梢から中枢に情報を伝えるという役割を担っている.運動麻痺や感覚麻痺の原因のほとんどは,圧迫によってインパルス伝播が途中で遮断され中枢や末梢に到達できないことによる.この場合,神経線維の障害パターンは予後の悪い軸索変性と予後の良い伝導ブロックに二分され,両者はインパルスが障害部を越えて伝播されない点では共通で臨床上鑑別できないが電気生理学的には鑑別できる.したがって,麻痺の予後は軸索変性に陥っている線維の割合を電気生理学的に評価することにより診断できる.
掲載誌情報