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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科39巻9号

2004年09月発行

文献概要

臨床経験

大腿筋膜張筋皮弁による体幹・四肢帯再建の経験

著者: 伊原公一郎1 坂本相哲1 重冨充則1 村松慶一1 大井律子1 松永経光1 吉田佑一郎1 河合伸也1

所属機関: 1山口大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1189 - P.1195

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 抄録:大腿筋膜張筋皮弁(TFL)にて体幹・四肢帯を再建した15例の治療成績について検討した.疾患は悪性腫瘍12例,感染症3例で手術時年齢は平均55歳,術後経過観察期間は平均43カ月であった.再建部位は腹壁4例,胸壁・殿部各3例,肩・鼡径部各2例,骨盤底1例で,腹壁2例では両側TFLを使用した.有茎島状皮弁9例,遊離皮弁8例で1例を除いて皮弁付であり,その大きさは長径が平均23cm(15~30cm),短径10cm(6~15cm)であった.術後血行障害はなく皮弁は全例生着したが,2例に先端部の辺縁壊死を認めた.腹壁再建1例にヘルニアを合併したが,その他は体幹の支持性に問題はなかった.また,肩再建2例もほぼ正常な機能を回復した.皮弁採取部は10例では直接閉鎖したが,5例では遊離植皮を行った.このようにTFLは大きな皮弁が採取でき強靱な筋膜構造を有することから,悪性腫瘍の切除後など各種の再建外科に有用であり,選択肢の1つに加えられるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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