臨床整形外科39巻9号

2004年09月発行

症例報告

骨系統疾患に合併した環指MP関節ロッキングの1例

著者： 村上賢一¹ 阿部圭宏¹ 廣田延大¹ 國吉一樹¹ 南昌平¹ 守屋秀繁¹

所属機関： ¹千葉大学大学院医学研究院整形外科学

ページ範囲：P.1209 - P.1213

　抄録：骨系統疾患に合併した右環指MP関節ロッキングの1例を経験したので報告する．症例は，28歳，男性，主訴は右環指MP関節伸展障害である．物を握った際，環指MP関節のロッキングが出現，徒手整復にて解除されるも，その後もロッキングを数回繰り返したため，手術治療を行った．中手骨頭の骨棘と副靱帯を切除し，ロッキングは解除された．術後，若干のMP関節拘縮を認めるが，ロッキングの再発はない．われわれの渉猟し得た218例のMP関節ロッキング中，環指は16例と稀で，また骨系統疾患合併例は自験例が最初である．