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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科4巻1号

1969年01月発行

文献概要

論述

頸椎・頸髄損傷の手術—急性期の適応を中心として

著者: 渡辺良彦1

所属機関: 1清水厚生病院整形外科

ページ範囲:P.12 - P.22

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はじめに
 1916年にPhiladelphiaで出版されたRobertsおよびKellyの著書"Treatise on Fractures"には,脊椎損傷の手術適応について,15項目が列挙されているが,主な点を引用して見ると,
 1)ショックその他全身状態の悪い時や,脊髄完全横断損傷の明らかな時は禁忌.
 2)脊髄不全麻痺で,血腫や骨片による圧迫が考えられる時は手術適応.
 3)明らかな完全横断麻痺でも,症状が時に変化し軽快して,初期症状がconcussionや硬膜外血腫によると思われる場合,例えば2週間後に改善が現われるような場合にはdelayed operationの適応.
 4)レ線的に転位骨片による圧迫が認められて不全麻痺の時は,即時手術の適応であるが,完全麻痺で,レ線的にも転位の甚だしいものでは手術は無用である 等々.
 ここでは脊柱全般について述べられてあり,手術とは椎弓切除術(硬膜切開および閉鎖を含む)のことであるが,頸椎,頸髄損傷に限つても妥当であり,半世紀後の現在でも特に附言すべきことはなさそうである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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