icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科4巻10号

1969年10月発行

文献概要

臨床経験

股関節cup arthroplasty術後の理学療法

著者: 田中清介1 伊藤鉄夫1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.790 - P.794

文献購入ページに移動
 股関節疾患に対するvitallium製cupによるarthroplastyはSmith-Petersenが1939年に発表して以来,今日米国では広く行なわれつつある手術である.本邦においてはcupの使用は報告はみられるが,まだ一般化される段階には至つていない.cup arthroplastyの手術成績を左右するものは,他の手術におけると同様,①正しい手術適応,②習熱した手術手技,③適切な後療法であつて,そのうちどれ一つが不適当であつても予後は不良に終る.後療法についてはcup arthroplastyが広く行なわれている米国においても,病院により,医師によりまちまちであり一定していない.
 京都大学整形外科では,昭和41年10月以来cup arthroplastyを主として変形性股関節症に行なつている.後療法は昭和43年1月までの6例には主としてStinchfieldの方法に従つて行なわれたが,成績は必ずしも良くなかつた.昭和43年2月以降はStinchfieldの方法からBoston方式に変更して,良い成績を得るようになつた.Boston方式はAufrancの著書にみられる方法であるが,実際にはBostonにおいてもその著書に記載されている後療法がすべて行なわれている訳ではない.実際に行なえる後療法というものは簡単で行ないやすくなければならず多忙なPTが行ないうる訓練内容というものは繁雑なものでなく,簡単なものでなければ長続きしない.われわれは実際Bostonで行なわれている方法に改良を加えた方法を行なつているので,その概要を記述したいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら