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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科4巻5号

1969年05月発行

文献概要

論述

痛風と手の症状について

著者: 巌琢也1 山内裕雄2 御巫清允3

所属機関: 1東京女子医科大学整形外科学教室 2順天堂大学医学部整形外科学教室 3虎の門病院整形外科

ページ範囲:P.330 - P.340

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はじめに
 痛風はプリンの誘導体である尿酸の代謝障害に起因する疾患であり,中年以後の男性がおかされやすく,遺伝性が濃厚であると考えられている.尿酸代謝異常の結果,高尿酸血症を伴い,特有な急性関節炎症状を反復し,四肢の関節周辺に尿酸ナトリウムが沈着して局所の病理学的な特徴をつくり,やがては痛風結節や骨関節の変形を生じるに至る,このような変化は腎や心にも及び種々な程度の腎障害を起し,高血圧や動脈硬化などを合併し予後を左右する.欧米ではつとにHippocratesの時代から知られ,Podagra(母趾痛),Gonagra(膝痛),Cheiragra(手関節痛)などの記載は古くからあり,ビザンチンの医師はHermodactylとしてコルヒチンの効能を既に知つていた.痛風は歴史上高名な多数の人物をおかし,帝王の病気と異名を冠せられてはいたが,疾患の本態,発作の病理,治療の薬理などについては永い間追及されることなく経験主義の支配下におかれていた.
 1943年,Barnesらがアイソトープを用い画期的な尿酸の生合成に成功し,その一世紀前にGarrodが唱えた痛風と尿酸代謝との関係が再び衆目をあつめ出し,Probenecidが治療薬として登場する(1951)に及び,痛風に関するあらゆる面での研究は飛躍的な進歩を遂げて現在に至り,全面的解明も間近しの感がある1,2,3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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