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論述
水溶性脊髄腔造影剤(Abrodil,Methiodal)と低位脊椎部ミエログラフィ
著者: 西尾昭彦1
所属機関: 1済生会八幡病院整形外科
ページ範囲:P.341 - P.352
文献購入ページに移動脊髄腔造影のための水溶性造影剤は油性造影剤や気体造影剤とならんで重要な位置を占めているが,その歴史は決して新しいものではない.1931年,Arnell, LidstromがはじめてAbrodilによる脊髄腔造影術を発表して以来,それはLindblomらを中心として,主にスウェーデンで開発され,以後,広くヨーロッパ諸国に普及するところとなつている.
これに対し,Sicard, Forestier(1922)以来のヨード化油は早くから弊害が認められていたが,Ramsey, Strain(1944)らによつて,Myodil, Pantopaqueが紹介されてから,「非吸収性」という油性造影剤のもつ宿命的欠陥が「可除去性」という形で大幅に改善された.米国ではtotal myelographyのみでなく,lumbal myelographyにおいても,現在,油性造影剤Pantopaqueが主流をなしているが,これはヨーロッパ諸国でAbrodilなど水溶性造影剤が重用されている事実と較べると興味深い.
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