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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科4巻9号

1969年09月発行

文献概要

論述

Subcutaneous pedicle flapsによるfinger tipの再建術—いわゆるKutler法の適用拡大について

著者: 難波雄哉1

所属機関: 1長崎大学医学部整形外科教室

ページ範囲:P.678 - P.683

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 Finger tipは手指の機能のうちでも,物をさわる,おす,ねじる,つまむ,たたく等の巧緻作業にとつて重要な役割をもつ部位で,解剖学的にも厚いふつくらとした皮下組織と外力に対して抵抗力のある皮膚で構成され,これを後背側より爪でささえた形となつている.更にfinger tipの特筆すべき点は優れた知覚の感度で,特にこの部の立体覚は他部では比較し難い精度をもら,これにより物体の形状,硬軟などの性状を識別することも可能であり,手指が第二の目といわれるゆえんもここにある.
 ところが,finger tipは日常生活や労働の中で最もよく働く部分であるだけに外傷をうける機会も多く,finger tipの切断創は瘢痕治癒するか,植皮によつて閉鎖するかのいずれかであるが,たとえ小さなものであつても,この部の瘢痕や植皮痕は上述の理由で生理的,解剖的な機能低下を免れない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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