臨床整形外科4巻9号

1969年09月発行

臨床経験

特発性脊髄硬膜外出血の症例

著者： 宇沢充圭¹ 松井明²

所属機関： ¹慶応義塾大学医学部整形外科教室 ²静岡赤十字病院整形外科

ページ範囲：P.730 - P.734

　特発性脊髄硬膜外出血は稀有な疾患で，欧米では1897年，Bainの報告以来，1969年Jacobson^3）の報告まで，約50例を見るが，本邦においては文献上渉猟しえた限りその報告を見ない．われわれは，両下肢の麻痺をきたし，硬膜外腫瘍の疑いのもとに手術を行ない．特発性脊髄硬膜外出血と診断された1症例を経験したので報告する．